[桐]・法人経理会計ソフトマニュアル17.損益分岐点のシミュレーションをしよう(2)

●損益分岐点のシミュレーションをしよう(2)

5.キャッシュフロー
キャッシュフローについてはいろいろな意見があります。
私は事業活動の成果として手元に残る最終資金のことと理解しています。
ここで減価償却費の問題について考えておく必要があります。
減価償却費については次のように考え方がわかれます。

固定資産の物理的な消耗分、また社会的な陳腐化分等を経費として処理するという考え方。
この場合は現実的に資金が流出する経費ではないので、キャッシュフローに加算してもいい
のではないかという理論になります。
次の計算式が成り立ちます。

(税引後利益+減価償却費)-社外流出資金(株主配当金、役員賞与金等)=手取資金(キャッシュフロー)

固定資産の再投資分を蓄積しておくための金額であるという考え方。
この場合は再投資のために資金が別途に移転するので損益分岐点シミュレーションでは当然
固定経費に処理すべきだという理論になります。次の計算式が成り立ちます。

税引後利益-社外流出資金(株主配当金、役員賞与金等)=手取資金(キャッシュフロー)
いずれにしても自社の考え方を確認しておくことが必要になります。

6.希望キャッシュフロー 
ここは最も大事なところです。
損益分岐点売上高というのは収支とんとんの売上高のことであって、要約すると
 ①赤字は出ない ②税金支出はない ③資金の余裕は全然ない。
こんな状態になります。
貴社としてはどのような状態を希望しますか?
たとえ税金や配当金を払ってでも、自分の手元に資金を残したいと考えると思います。
いくら残せるだろうかということこそが一番の関心事の筈です。
具体的に経営者が希望する資金の必要性は次のようなことだと思います。

支払手形の決済資金に……ぜひこれだけは……必要だ
手形取引をなくすために……これだけの余裕が……ほしい
借入金をへらすために……これだけの税引利益が…ぜひ必要だ
設備投資のための資金を……どう工面しようか?…苦しいなぁ
その他投資のため…これだけは計画しなくては…何とかならないか
いざの場合の余裕資金に……この位はどうしても…工夫しなくてはそうです。
こんな数々の願望が希望キヤッシュフローの源泉なのです。

さあ まずはシミュレーションとやらをしてみましょう。金額の単位は自由です。ここでは千円としました。

希望キャッシュフロー 
A社の社長は次のような計画を抱いていました。
①手形取引をなくすために……これだけほしい  10,000,000
②借入金をへらすために……これだけの税引利益を10,000,000
③設備投資のための資金を……どう工面しようか?10,000,000
こうして希望キャッシュフローを30,000,000としました。
その他の条件
A社の前期1年間のデータは次の通りです。
 税率       0.5(法人税・住民税・事業税)
 売上総利益率   0.350
 固定費    45,000千円
 売上金額   250,000千円

まず案件=前期実績で
まず前期の実績を基本にするため前期実績を前提条件にしました。
なんといっても自社の現実を基本にして将来を考えるのが一番現実的だと思いました。
  [税率] 0.5
  [計画売上高] 250,000千円
  [計画売上総利益率] 0.350
  [計画固定費] 45,000千円
  [計画配当金] 1,000千円
  [計画キャッシュフロー]    30,000千円
前期実績を試算した結果   
[計画売上高] 計画売上高の250,000千円とします。
[計画売上総利益率] 計画売上総利益率の0.350とします。
[試算売上総利益] 250,000千円×0.350=87,500千円となります。
[計画固定費] 計画固定費45,000千円とします。
[試算税引前利益] 87,500-45,000=42,500千円となります。
[試算税金額]42,500×0.5(1-税率)=21,250千円となります。
[計画配当金] 計画配当金1,000千円とします。
[試算キャッシュフロー]42,500-21,250-1,000=20,250千円となります。
前期実績の結果
[必要税引前利益]=
 (([計画キャッシュフロー]+[計画配当金])÷(1-[税率]))
30,000+1,000=31,000 31,000÷(1-0.5)=62,000千円です。
[必要売上高]=
 (([必要税引前利益]+[計画固定費])÷[計画売上総利益率])
62,000+45,000=107,000 107,000÷0.35=305,714千円です。
[売上過不足金額]=[計画売上高]-[必要売上高]
250,000-305,714= 55,714 千円の不足になります。
[キャッシュフロー過不足金額]=[試算キャッシュフロー]-[計画キャッシュフロー]
20,250-30,000= 9,750千円の不足になります。

 A社社長は、「よし! シミュレーションの方法は簡単なことが わかった。
 しかし現実の事業計画は大変だ。いろいろ検討をしてみよう。
 結果をだすことが大切なんだ]                 (続く)
             


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